家庭で家電製品を使うことと地球温暖化が
どのように結びついているのでしょうか?
家庭からのCO2排出を低減するには
2020年度の家庭部門からのCO2排出量(エネルギー起源)は約1億6,600万tCO2でした。
(2020年度におけるエネルギー需給実績確報より)
これは、1世帯あたりに換算すると、1年間で約3,900kgCO2になります。
この内47.6%は家電製品などで使う電気の使用によるものでした。
CO2の排出量に換算すると1,856kgCO2/世帯です。使う電気が全て再生可能エネルギーによる発電で作られるようになれば 、CO2の発生はゼロになりますが、まだまだ化石燃料による火力発電が多くを占めています。
したがって、家庭からのCO2排出を低減するには、家電製品の省エネや節電が必要です。

(JCCCAウェブサイト家庭からの二酸化炭素排出量2020年度)
家電買換えの省エネ効果とは
冷蔵庫・照明器具・テレビ・エアコン・温水洗浄便座の省エネ効果について見てみましょう。
日常使用している家電製品を最新の省エネタイプに置き換えた時の効果を試算してみました。
買換え前 | 買換え後 | 効果 | ||
---|---|---|---|---|
冷蔵庫 | もっと詳しく | 500 | 269 | -231 |
照明器具 | もっと詳しく | 136 | 68 | -68 |
テレビ | もっと詳しく | 144 | 83 | -61 |
エアコン | もっと詳しく | 905 | 813 | -92 |
温水洗浄便座 | もっと詳しく | 184 | 164 | -20 |
買換え効果合計 | -472 |
冷蔵庫・エアコン・温水洗浄便座は2011年の製品から2021年製の省エネタイプに置き換えた場合、テレビは2010年の製品から2020年製の省エネタイプに置き換えた場合、照明は蛍光灯シーリングライト(68W)からLEDシーリングライト(34W)に買換えた場合。
この効果をCO2の排出量に換算すると1年間で約222kgCO2/年※の削減になります。
2020年度の電気からのCO2排出量1,856kgCO2/年に対し12.0%削減に相当します。
- 年間CO2排出量(KgCO2/年)は、CO2排出係数=0.47kg/kWhで換算。
(2020年度 エネルギー需給実績を参照)
1つひとつの製品の年間消費電力量低減はそれほど大きくないものの、合算すると明確に異なってきます。
日頃の省エネや節電が、地球温暖化の原因となるCO2の排出を低減することに繋がっていきます。
CO2排出と吸収・蓄積の比率(イメージ)
発電や産業などから排出されたCO2のうち、約57%が大気に蓄積され、CO2濃度の上昇につながっています。

大気中のCO2濃度の上昇を防ぐには
- 省エネの推進
- 産業部門・運輸部門・民生部門活動のエネルギー消費を下げる
- 脱化石燃料化
- 電力部門からのCO2排出を下げる
- 森林の保全など
- 森林のCO2吸収を維持拡大する
森林は光合成により大気中のCO2を吸収
森林を構成している一本一本の樹木は、光合成により大気中のCO2を吸収するとともに、酸素を発生させながら炭素を蓄え、成長します。

地球温暖化の防止には、大気中のCO2の濃度を増加させないことが重要です。地球上のCO2循環の中では、森林が吸収源として大きな役割を果たしています。森林の保全は地球温暖化の防止に貢献します。
省エネ製品買換えナビゲーション「しんきゅうさん」では、50年生(樹齢50年)の杉1本につき、年間平均約14kgCO2を吸収するものとして算出し、買換えによる地球温暖化への貢献度をあらわしています。
前述の省エネ家電への買換え時のケースの場合、効果は50年生の杉の木約20本分の吸収量に相当します。