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地球温暖化と対策

地球温暖化による影響

地球温暖化は、地球環境や身近な生態系に
さまざまな悪影響をおよぼしています

世界の平均気温は最大5.7℃上昇

IPCC第6次評価報告書では、1850年~1900年と比べて、化石燃料依存型の下で気候政策を導入しない最大排出量シナリオ(SSP5-8.5)の場合、2081年~2100年の世界の平均気温は、3.3~5.7℃上昇、持続可能な発展の下で気象上昇を1.5℃以下におさえるシナリオ(SSP1-1.9)をとった場合でも1.0~1.8℃上昇する可能性が高くなります。

  • Intergovernmental Panel on Climate Change
    (気候変動に関する政府間パネル)
1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化
1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化グラフ。赤いグラフは有効な温暖化対策をとらなかった場合で最大3.3℃~5.7℃上昇、青いグラフは厳しい温暖化対策をとった場合で1.0℃~1.8℃上昇 1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化グラフ。赤いグラフは有効な温暖化対策をとらなかった場合で最大3.3℃~5.7℃上昇、青いグラフは厳しい温暖化対策をとった場合で1.0℃~1.8℃上昇
出典:IPCC第6次評価報告書WG1 SPM.8(a)
1850~1900年を基準とする年平均気温の変化(℃)

いずれの水準の温暖化でも、陸上は海洋上よりも温暖化し、北極および南極は熱帯よりも温暖化する。

年平均気温の変化のイラスト。1.5℃、2℃、4℃の地球温暖化におけるシミュレーションされた変化図
出典:IPCC第6次評価報告書WG1 図SPM.5(b)
1850~1900年を基準とする年平均降水量の変化(%)

降水量は、高緯度帯、赤道太平洋および一部のモンスーン地域で増加するが、亜熱帯の一部および熱帯の限られた地域で減少すると予測される。

年平均降水量変化のイラスト。1.5℃、2℃、4℃の地球温暖化におけるシミュレーションされた変化図

基準となる状況で乾燥している地域では、比較的小さな絶対値の変化でも、割合として見れば大きな変化として現れることがある。

出典:IPCC第6次評価報告書WG1 図SPM.5(c)

平均海面水位は最大1.01m上昇

化石燃料依存型の下で気候政策を導入しない最大排出量シナリオ(SSP5-8.5)の場合、2100年までの世界平均海面水位は、1995年~2014年に比べて63cm~1.01m上昇する可能性が高いと予測されています。
一方、持続可能な発展の下で気象上昇を1.5℃以下におさえるシナリオ(SSP1-1.9)をとった場合でも28cm~55cm上昇する可能性が高いと予測されています。

1900年を基準*にした世界平均海面水位の変化
1900年を基準にした世界平均海面水位の変化のグラフ。 1900年を基準にした世界平均海面水位の変化のグラフ。

※表中の赤い点線はSPP5-8.5の下での氷床の不安定なプロセスを含む、可能性が低くとも影響が大きい場合の予測
* 1900年を基準とした変化は、シュミレーションおよび観測による1995年~2014年を基準とした変化に0.158mを加えて算出。

出典:IPCC第6次評価報告書WG1 SPM.8(d)

21世紀末の日本の気候は、20世紀末と比べて・・・

IPCCの報告を踏まえた文部科学省と気象庁の予測

文部科学省と気象庁は、IPCC第6次評価報告書のシナリオをもとに、日本独自の高解像度気候モデルと観測データを組み合わせて、将来の気候を予測しています。ここでは、こうした手法により得られた日本の気候変動予測の内容を紹介します。

この予測で使われているシナリオについて

2℃上昇シナリオ 4℃上昇シナリオ
パリ協定の2℃目標が達成された世界で生じ得る気候の状態 黄色で表示 追加的な緩和策を取らなかった世界で生じ得る気候の状態 赤色で表示

※「2℃上昇」「4℃上昇」とは、工業化以前と比べた世界平均気温の上昇量のこと

年平均気温が約1.4℃ / 約4.5℃上昇もっと詳しく
50 mm/h以上の雨の頻度は約1.8倍 / 約3.0倍に増加もっと詳しく
降雪・積雪は減少もっと詳しく
台風は強まり、台風に伴う雨は増加もっと詳しく
日本近海の平均海面水温が約1.13℃ / 約3.45℃上昇もっと詳しく
沿岸の海面水位が約0.40m / 約0.68m上昇もっと詳しく
3月のオホーツク海海氷面積は約32% / 約78%減少もっと詳しく
日本周辺海域においても海洋酸性化が進行もっと詳しく
年平均気温の将来予測
猛暑日や熱帯夜はますます増加

年平均気温はいずれのシナリオにおいても上昇し、多くの地域で猛暑日や熱帯夜の日数が増加、冬日の日数が減少すると予測されています。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
年平均気温 約+1.4℃ 約+4.5℃
【参考】世界の年平均気温 (約+1.1℃) (約+3.7℃)
熱帯夜の年間日数 約+2.9日 約+17.5日
猛暑日の年間日数 約+8.2日 約+38.0日
冬日の年間日数 約-16.6日 約-46.2日
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
降水の将来予測
激しい雨が増える

いずれのシナリオにおいても、極端な大雨が発生する頻度も、発生したときの降水量も増加することが予測されています。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
1時間降水量50mm以上の年間発生回数 約1.8倍 約3.0倍
日降水量100mm以上の年間日数 約1.2倍 約1.4倍
年最大日降水量の変化

約+12%
(約+13 mm)

約+27%
(約+28 mm)
日降水量が1.0mm未満の日の年間日数 (明確な変化傾向なし。) 約+9.1日
「非常に激しい雨(滝のように降る)」と表現される。傘は全く役に立たず、水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるような雨の降り方。
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
雪の将来予測
雪ではなく雨が降る

年最深積雪・年降雪量は4℃上昇シナリオでは全国的に減少し、2℃上昇シナリオでは本州以南で減少すると予測されています。ただし、本州の山間部等の一部地域では極端な大雪時の降雪量が増加する可能性があります。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
年最深積雪及び年降雪量 約-30%
(北海道の将来変化は小さく、予測が難しい。)
約-60%
降雪期間 (変化は明瞭ではない。) 短くなる
(始期が遅れ、終期が早まる。)
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
台風の将来予測
台風は強まり、台風に伴う雨は増加

地球温暖化に伴う水蒸気量の増加や海水温の上昇が影響して、日本付近の台風強度は強まり、台風に伴う降水量も増加すると予測されています。

参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
海水温の将来予測
世界平均よりも大きく上昇

いずれのシナリオにおいても、日本近海では海水温が上昇すると予測されています。日本近海の海面水温上昇は一様ではなく、 上昇幅は、2℃上昇シナリオでは黄海で、4℃上昇シナリオでは釧路沖や三陸沖で大きくなっています。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
21世紀末の日本近海の海域平均海面水温の20世紀末からの上昇幅(°C)2℃上昇シナリオによる予測 21世紀末の日本近海の海域平均海面水温の20世紀末からの上昇幅(°C)4℃上昇シナリオによる予測
21世紀末の日本近海の海域平均海面水温の20世紀末からの上昇幅(℃)
日本域海洋予測データに基づき、2℃上昇シナリオおよび4℃上昇シナリオに関する海面上昇の見積もりを示す。図中の値は、上昇幅を示す。
値のみの海域 :海面温度が上昇すると予測する海域
値に「*」を付した海域:海面水温の上昇傾向が現れると予測される海域
値に「#」を付した海域:予測結果に明確な変化傾向は 見られない海域
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
海面水位の将来予測
21世紀中に上昇し続ける

長期的な平均海面水位の上昇は、高潮や高波による影響を底上げすることにつながるため、浸水リスクを増加させると予測されています。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
日本沿岸の平均海面水位 約+0.40m 約+0.68m
【参考】世界の平均海面水位
(IPCC, 2021)
(約+0.44m) (約+0.77m)
SSPシナリオに基づく予測結果。
「日本沿岸の平均海面水位」は2081~2100年の平均値を1986~2005年の平均値と比較したもの、「世界の平均海面水位」は2100年時点の予測値を1995~2014年の平均値と比較したもの。
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
海氷の将来予測
オホーツク海の海氷面積が減少する

海氷が多くつくられるシベリア沿岸での生産量が減ることが予測されています。その影響で海氷が流れてくる北海道のオホーツク海沿岸でも、海氷の量が少なくなると見込まれています。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
オホーツク海の海氷面積(3月) 約-32%
(ただし、この数値は現在気候の年々変動の範囲内。)
約-78%
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成
海洋酸性化の将来予測
海洋生態系への影響が懸念される

日本周辺の海では、海洋の酸性化が世界平均と同じくらいの速さで進むと予測されています。海が酸性になると、サンゴや貝などが殻や骨格を作りにくくなり、海の生態系に影響を及ぼすおそれがあります。

2℃上昇シナリオによる予測 4℃上昇シナリオによる予測
日本周辺海域の表面海水pH -0.06~-0.09
(2060年頃までに海洋酸性化の進行が止まる。)
-0.29~-0.36
参考:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2025」を基に家電製品協会が作成

日本にも深刻な影響が予測される地球温暖化
わたしたちの家庭でも、より強い温暖化対策をとることが求められています

地球温暖化の原因となっているCO2を削減するために、家庭で使うエネルギーの削減が求められています。
わたしたちが暮らしの中で地球温暖化の防止(CO2の排出低減)に協力できることは、一人ひとりがエネルギー使用の無駄を見直して、無理なく節電に取り組むことなのです。

おうちでもできる 温暖化対策とは?

地球温暖化による影響【世界全体】

温暖化による影響 異常気象

砂漠化

砂漠化の原因は、地球規模での大気循環の変動による乾燥地の移動という気候的要因と、人為的要因(過放牧、過耕作、薪炭材の採取等)の2つが挙げられます。 1977年のUNCODの報告によると、世界各地で毎年6万km2の土地が砂漠化で失われたことになり、現在もなお同じ割合で砂漠化した土地が増加し続けています。 これはほぼ九州と四国を合わせた面積に相当します。

参考:一般財団法人環境イノベーション情報機構ウェブサイト
中国北部の内モンゴル自治区で拡大を続ける砂漠(ホルチン砂漠)
中国北部の内モンゴル自治区で拡大を続ける砂漠(ホルチン砂漠)
(1996.5, Yu Nakamura)

台風・ハリケーン

大型ハリケーン「ミッチ」が直撃し、町が水浸しとなった。地球温暖化が進むと、ハリケーンなど熱帯低気圧の威力が強まるといわれています。

大型ハリケーン「ミッチ」直撃の後1
大型ハリケーン「ミッチ」直撃の後1
(1998.10,AYUCA)
大型ハリケーン「ミッチ」直撃の後3
大型ハリケーン「ミッチ」直撃の後3
(1998.10,AYUCA)

温暖化による影響 食糧問題

穀物生産量が減少

地球の平均気温が2.5℃程度上がると、食料の需要に供給が追いつかず、食料価格が上がると予測されています。
農産物の自給率が低く、他の国に食料の多くを頼っている日本は、食料確保の面で大きな影響を受ける可能性があります。

干天のため枯死したとうもろこし
干天のため枯死したとうもろこし

温暖化による影響 健康

人の健康への影響のあらわれ方

温暖化が人の健康に及ぼす影響には、2003年夏の欧州を襲った熱波などのように直接、ひとの死亡率などに影響が及ぶ場合と、マラリアやデング熱など病気を媒介する動物の生息域の拡大などを通じて間接的に影響が及ぶ場合があります。

柱で休息するシナハマダラカ
柱で休息するシナハマダラカ
(2005.7.28,国立感染症研究所 昆虫医科学部)

温暖化による影響 水位上昇

氷河の崩壊

アンデスから崩落するペリト・モレノ氷河。
地球温暖化によって氷河が滑り落ちる速度が早くなったと言われている。

アンデスから崩壊する氷河の崩壊
アンデスから崩壊する氷河の崩壊
(2001.1.1栗林浩)

海面の上昇

最悪の場合*2100年には、平均海面水位が最大63cm~1.01m上昇すると予測されています。(*シナリオSPP5-8.5)

環礁のため内陸から湧き上がった水によって浸水している町(浸水後)。

ツバル、フナフチ島2
ツバル、フナフチ島2
(2002.5,Masaaki Nakajima)

この島には9本の椰子の木しか残されていない。椰子などの根は、波から砂の流失を防ぎ島を守っているが、これだけ小さくなってしまうと守りきれず、水没してしまう島だと言われている。

ツバル国首都フナフチ環礁バサファ島
ツバル国首都フナフチ環礁バサファ島
(2005.3,Shuuichi Endou(Tuvalu Overview))

日本での地球温暖化による影響

日本での温暖化影響の全体像

温暖化が進むと、まず気温の上昇や雨の量の増加、海面の上昇などが生じます。
また、台風、熱波やエルニーニョなどの異常気象も頻度が増し、より強くなると予想されています。
そうなると、自然や社会にも、さまざまな被害が生じることになります。

気候の変化 冬:大陸からの寒気の吹き出しが弱まる。雪の量が減る。 夏:モンスーンが強まる。雨の多い地域はさらに多く、少ない地域はさらに減るなどの変化が生じる。 海面の上昇 水深が深くなり、波が大きくなる。海水面が上昇して、沿岸の形を変化させる。 自然環境への影響 自然生態系 森林	植生の分布が南方系のものに変化したり、一部の種が絶滅する。草地	自然草原の分布や種が変わる。湿地	乾燥化で狭くなったり、なくなったりする。生物多様性	高山や孤立した地域の種が絶滅する。沿岸域水没したり、浸食される面積が増える。1mの海面上昇で90%の砂浜がなくなる。水資源 雨の量が増える。川の流量が大きく変わる。 人間社会への影響 農林水産業  農業	コメの収穫量は北日本では増え、西日本では減る。林業	樹木の種や量が変わり、被害を受ける。水産業	サケなどの生息域の南限が北上する。産業やエネルギー沿岸域などの観光資源が被害を受ける。エネルギーの需要が増える。国土の保全 高潮や台風の被害が増える。健康 日射病などの熱中症が増える。
出典:環境省 STOP THE 温暖化 2005

すでに始まっている地球温暖化の様々な影響

地球温暖化の影響は日本でもすでに現れており、気候の変化は生態系を変え、農作物へも影響。また日本特有の自然や文化に影響を与え始めています。

全国(アメダス)の1時間降水量80mm以上の年間発生回数
  • 全国の1時間降水量80mm以上の年間発生回数は増加しています(統計期間1976~2024年で10年あたり2.4回の増加、信頼水準99%で統計的に有意)。
  • 最近10年間(2015~2024年)の平均年間発生回数(約24回)は、統計期間の最初の10年間(1976~1985年)の平均年間発生回数(約14回)と比べて約1.7倍に増加しています。
全国(アメダス)の1時間降水量80mm以上の年間発生回数
全国(13地点平均)の猛暑日の年間日数
  • 全国の猛暑日の年間日数は増加しています(統計期間1910~2024年で100年あたり2.6日の増加、信頼水準99%で統計的に有意)。
  • 最近30年間(1995~2024年)の平均年間日数(約3.0日)は、統計期間の最初の30年間(1910~1939年)の平均年間日数(約0.8日)と比べて約3.9倍に増加しています。
全国(13地点平均)の猛暑日の年間日数
沖縄瀬底島白化したサンゴ
沖縄 瀬底島 白化したサンゴ
(1998.9/Kyoko KAWASAKA)
立ち枯れのブナ
立ち枯れのブナ
(2002.9/登坂克男)
秋季の高温多雨で発生するミカンの浮皮
秋季の高温多雨で発生するミカンの浮皮
(農研機構 果樹研究所 杉浦俊彦)
夏秋季の極端な高温で発生するリンゴの日焼け
夏秋季の極端な高温で発生するリンゴの日焼け
(農研機構 果樹研究所 杉浦俊彦)
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