繰り返し使えて無くならず、利用時にCO2(二酸化炭素)を出さないエネルギーとは?
CO2の排出量を抑え、地球温暖化を防ぐために世界各国や日本では再生可能エネルギーの導入が進められています。
ここでは、再生可能エネルギーについて、その実態や利用方法、日本がどのような取り組みを行っているのか解説します。
ポイント
- 再生可能エネルギーとは : 繰り返し使えて枯渇せず、利用時にCO2をほとんど排出しない再生可能エネルギーのことです。
- 特徴と種類 : 再生可能エネルギーの様々な利用方法について、解説します。
- 日本の取り組み : 2030年から2040年へ向けて、再生可能エネルギーのさらなる導入を目指し、様々な目標が設定されています。
- 世界の先進的な取り組み : デンマークやアイスランドでは、風力や地熱・水力といった地域特性を生かし、再生可能エネルギーの活用が進んでいます。
- 再生可能エネルギーについて、よくある疑問にお答えします。
- 家庭でもできる再生可能エネルギーの導入 : 住宅用太陽光発電システムにより、一般家庭でも再生可能エネルギーの活用が可能です。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、法律※で「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマスが規定されています。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)をほとんど排出しない優れたエネルギーです。
- エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律
再生可能エネルギーによる発電は拡大していますが、まだまだ大きくありません。
日本の電力構成(2023年度)
このグラフは、日本における電力の供給源の割合(電源構成)を示したものです。
全体の68.6%を占める火力発電は、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料を燃焼させて得られる熱エネルギーを利用して電力を生成する発電方法です。安定した供給が可能である一方で、大量のCO2を排出します。
日本は、発電時にCO2をほとんど排出しない再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入することを目指しています。
再生可能エネルギーの特徴と種類(利用方法)
再生可能エネルギーの特徴
現在わが国の主要なエネルギー源である石油・石炭などの化石燃料は限りがあるエネルギー資源です。これに対し、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーは、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギーです。
再生可能エネルギーの種類
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太陽光発電
太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換します。設置する地域を選ばず、導入が比較的容易です。
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風力発電
風の力で風車を回し、その回転エネルギーを発電機に伝えて発電します。昼夜を問わず稼働でき、高い発電効率が見込まれています。
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バイオマス発電
動植物などから生まれた生物資源を直接燃焼したり、ガス化したりするなどして発電します。廃棄物を活用することで循環型社会構築に寄与します。
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水力発電
ダムに貯めた水や流路を流れ落ちる水の力を利用してタービンを回して発電します。自然条件によらず一定量の電力の安定的な供給が可能です。
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地熱発電
地熱によって加熱された地下深部の熱水、蒸気を取り出してタービンを回し発電します。火山の多い日本は、地熱発電に対して高いポテンシャルをもっています。
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太陽熱利用
太陽の熱エネルギーにより、水や空気などを暖め給湯や冷暖房などに活用します。比較的簡単なシステムなため、様々な場所で手軽に導入できるという利点があります。
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再生可能エネルギーに対する日本の取り組み
2022年度における日本の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は約22%となり、2012年7月の10%から、着実に拡大を続けています。しかし、世界各国と比べると、日本以上の比率を達成している国が複数あり、その中にはドイツやイギリスなど、日本の2倍近い再エネ比率をほこる国もあります。
資源に乏しい日本は、最大限の再生可能エネルギーを導入し、2040年には発電量全体の4割~5割を再生可能エネルギーでまかなうことを計画しています。
再生可能エネルギーを支える制度と役割
- FIT制度(固定価格買取制度):再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度です。太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスによる発電を対象とし、再生可能エネルギーの導入を大きく促進しました。
- FIP制度(Feed-in Premium):FITでは価格が固定される分、コスト抑制が課題になるケースがあったため、売買価格に一定の「プレミアム(補助額)」を上乗せする方式など、経済効率を高める制度が検討・導入されています。
地域資源を活かすエネルギーの地産地消
エネルギーの地産地消とは、地域で消費するエネルギーを従来型の化石燃料ではなく、その土地の再生可能エネルギーでまかなおうとする取り組みです。
各地域が「その土地ならではの自然の恵み(太陽、風、水、バイオマスなど)」を最大限活用して、効率的にエネルギーを作り、近場で消費することは、送電ロスの削減、災害に強いエネルギーシステムの構築、そして地球温暖化対策を同時に実現する、持続可能で自立性の高いエネルギー社会の実現につながっています。
世界の先進的な取り組み(事例)
デンマーク ― 電力の「風力主導」と再エネ比率の高さ
デンマークは電力分野で再生可能エネルギーの比率が非常に高く、世界的にも注目されています。2019年には国内の電力生産量の67.5%が再生可能エネルギーで、その内訳は風力発電が最大で46.8%、バイオマスが15.4%、太陽光や水力・バイオガス等が残りを担っています。
デンマーク、ユトランド半島中西部にあるウィンドファーム
(2000.4.25/(財)北海道環境財団)
アイスランド ― 地熱と水力でほぼ完全な再エネ電力体制
アイスランドは再生可能エネルギーの利用が進んでおり(一次エネルギー利用の約85%)、特に、そのうちの66%を占める地熱は総電力生産の25%を担うとともに、国内の住宅の約9割に暖房を供給しています。また、温室栽培や温水プール等にも活用されています。
アイスランド、グリンダヴィークの地熱発電所
再生可能エネルギー、よくある疑問 Q&A
Q1:再生可能エネルギーだけで日本で必要な電力量をまかなえますか?
A1:すべての電力を再生可能エネルギーに依存することは難しいですが、ある程度の割合を任せることになるでしょう。
日本は段階的に再生可能エネルギーによる発電の比率を引き上げる計画を進めており、第7次エネルギー基本計画では、電源構成に占める再生可能エネルギーの比率を2040年度に4割~5割まで拡大することを目標としています。
Q2:再生可能エネルギーは環境にどのような影響を与えますか?
A2:再生可能エネルギーは、化石燃料と異なり利用時に温室効果ガスであるCO2を排出しないため、化石燃料による発電に比べて環境負荷を大幅に削減します。
再生可能エネルギーで発電を行う場合、設備の建設・廃棄等を含めたライフサイクル全体でも、化石燃料による発電に比べてCO2排出量を大幅に削減可能と分析されています。
家庭でもできる再生可能エネルギーの導入
住宅の屋根などに設置した太陽電池パネルで発電し、家庭内のさまざまな家電製品に電気を供給する住宅用太陽光発電システムは、一般家庭でも導入しやすい再生可能エネルギーです。


