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地球温暖化と対策

カーボンニュートラルの取り組みとは

カーボンニュートラルとは

地球温暖化を防止するために、世界中で行われている脱炭素社会への取り組み

パリ協定が目指す世界の平均気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑えるには、大気中に排出される温室効果ガスを、2050年には世界全体で実質ゼロにする必要があるとされています。
中でも温室効果ガスの大部分を占めるCO2(二酸化炭素)の削減が重要です。
これを実現するためには、これまで行ってきた大気中に排出されるCO2を削減する「低炭素社会」の実現だけでは足りず、それを一歩進めCO2の排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現が必要となります。
実質ゼロとは、人為的に大気中に排出されるCO2の量と森林などが吸収するCO2の量との間で均衡が取れた状態を意味し、「カーボンニュートラル」とも呼ばれます。

脱炭素社会説明イラスト。人間の活動により排出されるCO2と森林などが吸収するCO2の均衡がとれた状態を「カーボンニュートラル」という

人間の活動により排出されるCO2

生活に不可欠な電気は、大量の化石燃料(石炭、石油、天然ガスなど)を燃焼させる火力発電で作られ、この時大量のCO2を排出します。また、ガソリンを燃料にする自動車に乗ってもCO2が発生します。私たちの暮らしが便利になものになればなるほど、大量のCO2が排出されることになり、地球温暖化を加速させているのです。

化石燃料の使用を抑えることで、地球温暖化の原因となる CO2の発生を低減できます。

国や企業だけではなく、わたしたちの家庭でもカーボンニュートラルの実現にむけた取り組みが求められています

わたしたち一人ひとりのライフスタイルに起因するCO2が日本全体の排出量の中でも大きな割合を占めているともいわれています。
わたしたちが暮らしの中で地球温暖化の防止(CO2の排出低減)に協力できることは、一人ひとりがエネルギー使用の無駄を見直して、無理なく節電に取り組むことなのです。

多くの国がカーボンニュートラルに参加しています

日本を含む120を超える国と地域が、カーボンニュートラルへの参加を表明しています(2020/12月現在)。

カーボンニュートラルへの参加を表明した国と地域の世界地図
出典:経済産業省 ウェブサイト 2050年カーボンニュートラルを巡る国内外の動き

脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現にむけて

カーボンニュートラル実現のイメージ図
カーボンニュートラル実現のイメージ図。2050年のCO2排出+吸収で実質0トン、カーボンニュートラルへのロードマップ。
参考:総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第33回会合)資料
  1. 電力部門での非化石電源の拡大
    • 再生可能エネルギー発電の拡大
    • 3E+Sによる原子力発電の活用など
  2. 産業・民生・運輸部門での取り組み
    • 脱炭素化された電力による電化
    • 水素化、メタネーション、合成燃料等を通じた脱炭素化など
  3. 電化・水素化等で脱炭素化できない領域
    • CCUS/カーボンリサイクル等の最大限活用
※3E+S:エネルギーの安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)、安全性(Safety)

脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現にむけての取り組み例

脱炭素社会を実現するには各部門での革新的技術開発やイノベーションが必要となります

電力部門
脱炭素技術 克服すべき主な課題
  • 薄赤色のエリアは技術的なイノベーションが必要なもの

再エネ 導入拡大に向け、系統制約の克服、コスト低減、周辺環境との調和が課題
原子力 安全最優先の再稼働、安全性等に優れた炉の追求、継続した信頼回復が課題
火力+CCUS / カーボンリサイクル CO2回収技術の確立、回収CO2の用途拡大、CCSの適地開発、コスト低減が課題
水素発電 水素専焼火力の技術開発、水素インフラの整備が課題
アンモニア発電 アンモニア混焼率の向上、アンモニア専焼火力の技術開発が課題
民生部門
脱炭素技術 克服すべき主な課題
  • 薄赤色のエリアは技術的なイノベーションが必要なもの



電化 エコキュート、IHコンロやオール電化住宅、ZEH,ZEB等を更に普及させるため、設備コスト低減が課題
水素化 水素燃料電池の導入拡大に向けて、設備コスト低減、水素インフラの整備が課題
メタネーション メタネーション設備の大型化のための技術開発が課題
参考:総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第33回会合)資料
電力部門と民生部門での取り組みを抜粋

脱炭素技術の例

「CCS」と「カーボンリサイクル」

  • CO2を分離・回収して地中に貯留する「CCS」
  • CO2を“資源”ととらえ、素材や燃料に再利用する取り組み、「カーボンリサイクル」

水素を利用した技術例

  • 燃料電池エネファーム
  • 水素発電:水素ガスタービン
  • 燃料電池自動車(FCV)
  • 燃料電池バス、燃料電池トラック
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